天草高等学校   校歌

                 作詞 船勢直  作曲 犬童球渓
 
1.塵かん遠く隔てたる     ああ西海の別天地
  潮風薫る苓州の      学びの園の露分けて
  飛翔を習う雛鵬の       胸は希望に燃ゆる哉

2.振放みれば倉岳の      高嶺を出ずる天つ日の
  下界の暗を照らす時      天には真理地には道
  人の心に「正大」の       聖き光ぞ溢るなる

3.時永久に寄る波の       鞺鞳として岸をうつ
  天草灘の雄叫に        聞けや自然の動脈を
  沸きて流るる「剛健」の   生命の潮の高鳴りを

4.神秘ぞ燃える不知火の   筑紫の海に風凪ぎて
  澄むや千尋の底深く    万像影を涵す時 
  一視同仁隔てなき     「寛厚」の徳君見ずや


                                              (大正8年5月制定)





                        

     
 本渡高等女学校 校歌

                 作詞 八波則吉  作曲 永井幸次

1.春たてば       霞の裳裾遠く引く
  雲仙岳のいただきを  高き操の姿ぞと
  雲間に仰ぐ尊さよ

2.秋されば       十萬山の櫨紅葉
  松の緑に照映えて   我が学舎の背景を
  自然が描く美はしさ

3.あな床し       校舎の窓ゆ見晴かす
  海は有明、不知火の  燃ゆる思を胸に秘め
  盡きぬ希望に生きよとや

4.いざ共に       四圍の自然の化を受けて
  清く氣高き人と成り  正しき通を養ひつ
  皇御国に盡くさなん


                                              (大正8年5月制定)
  



  熊本県立天草高等学校 啓明寮 第一寮歌
   作詞:山本義孝 作曲:三島勲 編曲:玉田元康・阿部美智子     

1.白波蒼ぼう果も無き 大玄海の潮風に
  赤銅の肌鐵の意思 鍛え磨きし健児等が
  真理の道を究めんと 集い声あり啓明寮

2.都塵を遠く距つれば 時代(とき)におごらずおもれなず
  濁世の波も純潔の 我が学寮を汚すなし
  正大剛健寛厚の 源流(ながれ)はろけし五十年


3.巷の眠り深き頃 思ひ馳すれば父祖の国
  言挙げ多く道空し 起つべし我等荘厳の
  理想を目指せ東天に 見よ啓明の星はさゆ

4.殉教の血を雲仙の 秋の紅葉と競ひたる
  祖先の御霊(みたま)啓明の 健児が胸にもえ立てば
  邪悪を拂ひ闇を裂き 何とて消えん生命(いのち)の火


5.ああ苓州の空高く あかねの光 嶺(ね)にあびて
  れいろうたりや倉が岳 其の山容の清きごと
  若き希望に胸張れる 健児が館(やかた)啓明寮


(注)
ボニージャックスの歌唱に2番、4番は録音されておりません。

 熊本県立天草高等学校 啓明寮 第二寮歌

  作詞:綿戸宏 作曲:三島勲 編曲:玉田元康・阿部美智子


1.積乱雲の影薄れ 明星闇を照らすなり
  今混沌の夢醒めて 有明の空明けぬれば
  其の名も聖き啓明の 寮舎(やかた)は永久(とわ)に映ゆる哉

2.ああ春深し苓州の 駘蕩風に香の匂ふ
  花繚乱の下(もと)に座し 青春歌を高誦(たかず)せば
  城跡の松に木霊(こだま)して 若人の意気天を衝く

3.そは雲山か呉か越か 波澎湃(なみほうはい)の灘をみて
  其の正大と剛健の 正気ぞ胸に鼓舞したる
  千尋の海の底深く 寛厚徳こそ学ぶなれ


4.銀河流れて果て遠く 高き理想を象徴(あらわ)して
  月影寮窓(まど)にうつる頃 真理を目指す健児等が
  町山口のせせらぎに 深く思ひをこらすなり

5.蝉鳴き絶えて染岳に 落つる夕陽や涼風(すずかぜ)の
  桐の一葉に秋ぞ知る 夢に満ちたる三年の
  涙と共に光輝(ひかり)ある 清き生命を築かばや


(注)
ボニージャックスの歌唱に3番、5番は録音されておりません。

天草高校寮歌の楽譜、歌詞カードはこちらを参照。

 

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